肉離れ
こんなお悩みはありませんか?
走った時など、運動で動き出しの際に太ももやふくらはぎに突然痛みが走った。
ステップやジャンプなど、急激な動きをした際に太ももやふくらはぎに痛みが出た。
動き出しの際に急激に痛みが出た部分が青くなった。
買い物袋など、重い荷物を持ち上げた際に急激に痛みが走った。
筋肉の切れた部分がへこんでいるのがわかる。
歩行の際に体重がかかるため、痛みでうまく歩けない。
筋肉を曲げ伸ばしすると強い痛みが出る。
肉離れで知っておくべきこと
肉離れは主にスポーツを行っている際に起こりやすい症状です。スポーツの中でも、止まったり動いたりが激しい瞬発的な動きを伴うサッカー、バスケットボール、陸上競技、バドミントンなどで多く見られます。
肉離れは、動作中に筋肉が縮もうとする際に急激な過伸張力が加わり、筋肉の繊維が部分的に断裂または完全に断裂することを意味します。好発部位はふくらはぎや太ももですが、まれに腹筋や胸筋にも発生することがあります。
スポーツをしている時に限らず、筋肉が疲れていたり、弱っていたりすると、ちょっとした運動や日常の何気ない動作でも肉離れを起こすことがあります。
症状の現れ方は?
肉離れが起こる前兆として、主に筋肉の硬直があります。
発症するタイミングはスポーツ中や肉体労働中が多くなりますが、筋肉が疲れていたり、筋力が低下している場合、発症のリスクが高くなります。また、準備運動が不足していることも、リスク要因の一つです。
ジャンプやダッシュをした瞬間だけでなく、筋肉がほぐれていない状態であれば、日常の些細な動作でも肉離れを起こすことがあります。水分不足や飲酒によって筋肉が脱水症状を起こし、肉離れを引き起こす場合もあります。
冬場には、身体が冷えて筋肉に負荷がかかりやすくなるため、肉離れを起こしやすいとも言われています。冷えによって足がつり、それがきっかけとなって肉離れを起こすこともあります。
その他の原因は?
肉離れは、年齢や筋肉の状態によって症状が異なります。
新生児、乳児、幼児は筋力が低いため、肉離れを起こすことはありませんが、筋肉の発達、成長、運動量の増加に伴い、小学校高学年くらいから肉離れを起こしやすくなります。成長期の若い人やスポーツ選手は、大腿二頭筋(太ももの後ろ側の筋肉)、大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)、ハムストリングス(太もも裏側の内側の筋肉)に肉離れが起こることが多いです。
中高年になると、腓腹筋(ふくらはぎの筋肉)の肉離れが多く見られます。ふくらはぎの肉離れは「テニスレッグ」とも呼ばれ、テニスをすると頻繁に起こりやすいけがとしても知られています。ボールに素早く反応して瞬発的に動いた際、収縮していた筋肉が急激に伸び縮みし、筋肉の繊維が裂けてしまうことがあります。
肉離れを放置するとどうなる?
お子さんが肉離れになってしまった時は、特に早く回復させてあげることが大切です。なぜなら、痛みを我慢し続けると、子どもの身体は吸収力があるため、その痛みに反応して全身の筋肉が硬くなり、身体がゆがんでしまうことがあるからです。
成長期には、筋肉と骨の付着部に牽引ストレス(筋肉が骨の付け根を引っ張る)がかかり、剥離骨折(はくりこっせつ)を起こすこともあります。骨の付着部が柔らかいため、筋肉の強い力で引っ張られ、骨ごと引き離されてしまいます。
早急な検査・診断が必要です。また、放置することで、断裂した筋肉が正常につながらず、運動障害や筋断裂の再発を引き起こしやすくなります。筋肉の柔軟性も衰え、運動機能の低下が見られることもあります。
当院の施術方法について
肉離れの施術は、安静と固定が基本となります。
肉離れとは、「本来ひとつにまとまっていた筋繊維が無理な力がかかったために部分断裂した状態」です。つまり、基本的には切り傷や裂傷と同じようなものです。肉離れによって壊れた筋肉の繊維も、固定することで修復が進みます。
2~3週間は患部を固定し、組織の修復を促進することが大切ですが、組織は修復過程で収縮してしまうため、元の状態に戻すには、収縮した組織を引き延ばすことも必要になります。
比較的早期に裂けた繊維を寄せて修復を助ける施術を行う一方で、血行を良くすることによって損傷部位を再生するため、当院ではEMSを使用し、筋肉に微弱な電気を流して血行促進や筋肉を柔らかくすることを目指しています。
改善していく上でのポイント
肉離れを起こしてから完治するまでには、一般的に約3~5週間かかると言われています。肉離れの回復期間は、出血してからどれくらいの時間が経過したか、その間にどのような処置が行われたか(けがをしてからどれくらい経っているのか、アイシングをしていた時間、下肢を挙げていたかどうか)によっても変わります。「肉離れになってしまった」と思ったら、以下の応急処置を行い、できるだけ早く施術を受けることが大切です。それが早期回復につながります。
・すぐに冷やす。ただし、冷やしすぎない
肉離れを起こした直後は、歩行を控え、すぐに冷やすことが重要です。水に濡れたタオルで構いませんので、早急にアイシングを行いましょう。ただし、冷やしすぎないことが大切です。アイシングには内出血の拡大を防ぐ効果が期待できますが、冷やしすぎると筋肉が固くなり、回復に必要な血行を悪化させてしまうことがあります。冷やしすぎて痛くないことを目安に、長くても30分程度で終わらせましょう。
・膝を軽く曲げ、足を上げる
病院に向かうまでの間は、膝を軽く曲げ、ソファやクッションなどを使って下肢挙上(足を高く持ち上げた姿勢)にしておくと、痛みが軽減することが多いです。患部を心臓よりも高い位置に上げておくことで、肉離れによる腫れを防止または軽減する効果が期待できます。この姿勢を保ちながら、移動の準備が整い次第、できるだけ早く病院に向かいましょう。
・移動時は、患側に体重をかけない
肉離れを起こした場合、患側(けがをした側)に体重をかけないことが非常に重要です。移動する際は、誰かに肩を貸してもらったり、おぶってもらうことが理想的です。それができない場合は、ケンケンでも構いません。病院に向かう際は、必ず患側に体重を乗せないように気をつけて移動しましょう。